なぜ言語学や音声学が英語発音力の向上に役立つのか?
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記事の要約
✅ 音声学とは言語学の構成要素の内の1つ。「音」に関する分野。
✅ 音声学は3つの部門「どう音を作るか」「どう音が空気を伝わるか」「どう音が理解されるか」から成る。
✅ 正しい音の作り出し方を学び、どう相手に伝わるかが分かると、自然と通じやすい英語が話せる様になる。
目次
そもそも言語学・音声学とは?
言語学とは、人間の言語の構造、特性、機能、システム、音などの幅広い領域を研究する学問です。
また、音声学とは、言語学の構成要素の内の1つであり、調音音声学、音響音声学、聴覚音声学という3つの分野で構成され、人間の言語の音が「どのように作られ」「どのように空気を伝わり」「どのように理解されるか」を研究する学問です。
言語学・音声学が関係している発音の具体的な例
・音が「どのように作られるのか」
そもそも人はどの様に言語の音を作り出しているのでしょうか?言語にもよりますが、基本的には舌、唇、喉が一般的です。また、「舌をどこに当てているのか」のようにさらに細かく考える事もできます。例えば、Lという音は「舌先を上の前歯の裏側に当てる」、THという音は「上の歯と舌を使う」といった作り方があります。
日本語と英語の音の作り出し方は根本的に異なるため、英語の発音を身につけるためには、まずは音の作り方を理解することが大切です。これを理解し、実践練習を繰り返していると、「LとRを間違いにくくなる」や「ラ行とは全く異なる音だという理解ができる」といった効果がすぐに現れるようになります。日本語とどう異なるのかを理解する事もとても大切です。
・音が「どのように空気を伝わるのか」
音の伝わり方には、「音の軌道」や「音のカタチ」が関係しています。この音の軌道やカタチを理解できると、思った通りの「カタチ」を作り出すことができるようになります。
例えば、音に強弱や抑揚をつけたりする事で「音が落ちていく」や「低い所から徐々に上がっていく」といったカタカナ英語とは全く違う音が作り出され、それを可視化する事で「なぜ英語はこう聞こえるのか」といった理由が論理的に分かるようになります。これは独学がなかなか難しいですが、専門的なやり方としては音声を特殊なソフトウェア等で可視化する方法などもあります。
・音が「どのように理解されるのか」
音がどのように理解されるかは、正直なところ聞き手次第です。しかし英語は同じ文章でも「強調の仕方」によって意味が変化するといった特性があり、「相手にどう理解してもらいたいか」をある程度ルール通りにコントロールする事ができます。
例えば多くの方が、5W1Hの疑問文は基本的に下げると習うと思いますが、これは語尾を上げることもでき、確認をしている、または少し和らげるようなニュアンスを表現する事が可能です。つまり強調の仕方をコントロールする事で、「少し和らげて聞いています」という事を伝える事ができるという事です。
これを理解する事で意図している事が正確に伝わりやすくなったり、英語特有のリズムやイントネーションを理解する事でリスニングがしやすくなったりという効果が期待できます。
まとめ
人間の言語を研究する音声学を学ぶ事で、英語の発音に関して感覚的な理解ではなく、論理的な理解が可能になります。
「どう音を作るか」「どう音が空気を伝わるか」「どう音が理解されるか」という3点を学習時にも意識することで意外と簡単に英語の発音は上達します。
ネイティブの音声を模倣するトレーニングも一定の効果はありますが、本記事で述べたように「どのように音を作り」「どのように空気を伝わり」「どのように理解されるか」という英語のルールや仕組みを理解し、また日本語とどう違うのかという側面の理解が、まず最初に行う事を強く推奨します。これらをマスターする事で英語のレベルに関係なく、どなたでも自然な英語の発音を身につけることができます。当社ではこれらのプロセスを網羅的に学ぶ事ができるカリキュラムを用意しております。