言語間距離と学習方法

言語間距離と学習方法

英語と日本語の距離は非常に遠い。効率的な勉強方法は?

英語と日本語は言語としての距離が非常に離れています。はたしてどのような学習が効率的なのでしょうか?

英語と日本語は言語としての距離が非常に離れています。はたしてどのような学習が効率的なのでしょうか?

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英語と日本語の言語間距離が生む問題点と効率的な解決策

本記事の内容

1. 発音の違いによるハードル
2. スピーキングでの息遣いの違い
3. アクセントとイントネーションの違い
4. リスニングの問題点

日本語を母語とする方にとって、英語の習得にはいくつかの独特なハードルがあります。これは、両言語の「言語間距離」によるものです。特に、発音やリスニング、スピーキングにおける課題は、この距離によってより顕著になります。しかし、これらの問題を理解し、効率的な方法でアプローチすることで、英語のスキルを大幅に向上させることが可能です。

1. 発音の違いによるハードル

日本語には母音が5つしかありませんが、英語には21の母音が存在します。(当社の教え)。日本語話者は英語の音を聞き分けたり発音したりする際、この違いに悩むことが多いです。例えば、「ship」と「sheep」や「bat」と「bet」など、似た音を区別することが難しいと感じることが多いでしょう。これらの単語に含まれる母音は全て異なる音です。

解決策:
まず、英語の音のバリエーションを理解することが大切です。単なる「文字」の発音を覚えるのではなく、「音」を聞き取り、口や舌の動きを体感的に学ぶことが有効です。録音やミラー練習を使って、発音のフィードバックを得ることで、自分の声の改善点をリアルタイムで確認しましょう。必ず最初に英語にどんな音が存在し、その音を認識することを推奨します。

2. スピーキングでの息遣いの違い

例えば、英語の「pat」(パット)と「bat」(バット)を発音する場合、/p/の音では強く息を吐き出し、/b/では息がほとんど出ません。この違いを意識せずに「pat」と「bat」を発音すると、両方の単語が同じように聞こえてしまい、意味が伝わりにくくなります。日本語には、このように息遣いで区別する音がないため、練習が必要です。アクセントがある音節の一番初めに来る/p/, /t/, /k/は英語では息を伴った発音になります。有気音と呼びます。

解決策:
有気音を理解、確認するためには、ティッシュや紙を使うのが効果的です。紙を口の前に置き、/p/の音を発音したときに紙が動くかどうかを確認します。/p/を強く発音し、紙がはっきり動くように練習を繰り返すことで、息の使い方が改善されます。これにより、ネイティブスピーカーにより近い発音ができるようになります。ただし、力を入れすぎたり、おもいっきり息を吐きすぎると不自然になるので、あくまでも無理のない程度に音を出しましょう。

3. アクセントとイントネーションの違い

日本語は音の高低でアクセントをつける「ピッチアクセント」を持ちますが、英語は「ストレスアクセント」と呼ばれる、音の強弱でアクセントを表現します。この違いが、英語を話すときのイントネーションやアクセントの問題を引き起こします。日本語話者は、英語のリズムや強調する部分を見極めるのが難しいと感じることがあります。

解決策:
英語の音声リズムを理解するには、文章を丸ごと「音楽的」に捉えることが重要です。例えば、音楽を聞くように、英語のリズムや強弱を耳で感じ、声に出してリズムを真似する練習をしましょう。また、歌や詩を使って、イントネーションやリズムに自然に触れるのも効果的です。英語のリズムはアクセントが置かれる強音節で取られます。

4. リスニングの問題点

英語は音がつながる「リンキング」や、音が弱くなる「リダクション」が多く、単語ごとに区切って聞こえないことがリスニングの大きな障害です。これにより、話されている英語が「聞こえる」けれど「理解できない」と感じる場面が多くなります。

解決策:
この問題を解決するには、速い英語に慣れるだけでなく、音のつながりを意識してトレーニングすることが大切です。ネイティブスピーカーの会話をゆっくり聞き、どこで音がつながっているか、どの音が省略されているかを注意深く確認しましょう。シャドーイングの練習も効果的で、聞こえた音をそのまま真似ることで、自然な音の流れに慣れることができます。基本的に英語で音が繋がるからくりは「調音点をずらさずに、息を吐き続けながら、次へ繋ぐこと」です。


📚 まとめ

日本語と英語の言語間距離は確かに大きく、特に発音、息遣い、アクセント、イントネーション、リスニングにおいて顕著です。しかし、これらの違いを理解し、英語の「音」に焦点を当てたトレーニングを行うことで、スピーキングやリスニングスキルは飛躍的に向上します。音の変化やリズム、強弱を意識した練習を続けることで、英語の音がより自然に身につき、実践的なコミュニケーションに自信を持てるようになるでしょう。少しずつでも、音に対する感覚を鍛えれば、英語がぐっと身近に感じられるはずです。


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